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現場リポート〜働けることの喜び〜

こんにちは、にゃんこうめです。
突然ですが、石川県の方言って独特なものがいろいろありますね。私は基本的にあまり方言を使わないのですが、地元の知り合いや、母親と話す時は自然と方言が混じりますね。
その方言の中でもとりわけ石川独特なのが、「きのどくな」でしょう。これを他県の方が聞いた場合、「大変ですね」とか「かわいそう」といった意味に取られたりしてしまいます。
本来は、「申し訳ないです」や「ありがとう」といった意味なんですよねぇ。この方言を使うのは私の体感ですが、今や60代以上の方だけかな?と感じますが、とっても石川らしいこの方言、残って欲しいなぁと思うのは私だけでしょうか。

さて今回は、先月から新しくクリエイターズに入られた、Cさんのご紹介です。
Cさんは、約半年ほど前に手足の違和感を覚え、よくつまずくようになり、やがて転倒して、これは何かおかしいとその原因を調べるべく病院へ。告げられた病名は後縦靱帯骨化症というものでした。後縦靱帯骨化症とは、背骨の本体である椎骨を繋ぐ後縦靭帯が骨のように硬くなってしまい、神経を圧迫することで、四肢の運動機能などが低下してくる病気です。場合によっては下半身にも症状が出現し、ふらついたり、うまく歩けないといった症状も出るような大変な病気です。

それまではいたって健康で、立ち仕事で8時間でもなんの問題もなく働いてこられたそうです。それが病気になり、これは働けないかもしれない、どうなっていくのだろうという不安で、大変な思いをされたことと思います。

もちろん、生活のためでもある。それもあるけど、働きたい。その思いが強かったCさんはA型作業所を色々と探しましたが、今の自分の身体的なことを考えると完全に座った姿勢で作業ができるところでないと難しい。その中で見つけたのがここ、クリエイターズだったそうです。
クリエイターズでは、もちろん全てというわけにはいきませんが、一人一人の要望にできるだけ答えてくれて、働く私たちのことを真剣に考えてくれる、居心地のいい場所だと私も思います。

Cさんは早速面接し、働き始めます。現在は働き始めて丁度一ヶ月程。今行っている作業は、おきあがりこぼしの土台をつける作業や、木のしおりのカット、更には宛名書きなども行っています。 その中で、カッターで木のしおりをカットする作業では、どうしても障がいのせいで、連続の作業は難しい。でも休み休みですが、精一杯やっている。宛名書きにしてもそう、他の方よりは書くペースは遅いかもしれないけれど、一枚一枚しっかり丁寧に、を心がけているそうです。

後ろ向きな気持ちに染まってしまいそうな中でも、今後の夢は「杖なしで歩くことです!」と、笑顔で話してくださったCさん。毎日が楽しく、働けることが何よりも嬉しいとの言葉を聞き、私も今様々な病気を抱えて、将来も不安に思う日々に少し前向きになれずにいましたが、前を向き、襟を正して初心に帰り、改めて作業や生活のことを考え直さなければと感じた、今回の取材でした。

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〜クリエイターズの作業風景から〜ブライダル編その①

こんにちは、にゃんこうめです。
「人の気持ちはとても複雑で繊細で……誰もがすべての思いを口にするわけではなく、裏腹だったり、嘘をつく場合もあり……正確に把握するのは、私には、とても困難なのです」
これはヴァイオレット・エヴァーガーデンというアニメのセリフです。
この彼女は兵器として育てられ、感情というモノがあまり理解できないまま育てられた孤児です。
この言葉が私にはとても胸に刺さりました。もちろん、境遇も何もかも違いますから、意味合いはずいぶん違うとは思いますが、私は障害のせいなのかなんなのか、同じ気持ちを抱いたまま生きてきました。  もちろん、誰だって全ての人の気持ちがわかるとも思っていませんが、それでも私がわかる部分は少ないように思えます。ではそのわからない部分をどうやって補っていくか。私は失敗した時に、信頼できる方に、他にどんな考えがあったか聞くようにしています。もちろん、それが完全な正解でも無いこともわかっていますが、自分では無い第三者視点からの考えは、それはそれで、とてもためになります。そこから新たな発見があったり、得るものはとても大きい。
そうして段々と自分でも第三者視点を持てるようになっていければいいと思っています。
これが皆さんの参考になれば幸いです。

さて、クリエイターズではブライダル事業も行っています。具体的には結婚式で使われる、席次表や、メニュー、招待状などを能登ヒバの板に印刷しています。
今回はその中でもお客様から頂いた資料を、パソコンでデータ化し、それを印刷するまでをご紹介します。

先ずはお客様から式に出席する方のお名前、席の並びなどが書かれたデータをいただき、それをテンプレートに打ち込んでいきます。ここの打ち合わせがとても重要で、なんどもやり取りをし、調整、推敲の後、やっとデータ作成に移れます。
データ作成で注意するポイントは、打ち間違いです。例えば旧仮名使いだったり、似たような字でも、点が一つ多かったりするなど、細かな点でミスが起きやすいので、とても神経を使います。もちろん、文字などはダブルチェック以上の確認を行っています。
次に、出来上がったデータを能登ヒバの板に印刷するのですが、この板も傷や汚れのない、厳選された綺麗なものを使用しています。
それでも、作業工程で傷がついてしまうこともあり、その時は再度作り直します。

やはり、結婚は人生の晴れ舞台。その大切な日に使われるものですから、普段以上に神経を使い真心を込めて製作しています。

この後も、色々な工程を経て完成に至るのですが、続きはまた今度。

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晴天の空の下

こんにちは、にゃんこうめです。
先日5月8日は母の日でしたので、私も母に花を贈ろうと花屋へ。
生花だけのセットもありましたが、私の個人的趣味で、くまのオブジェ付きの物を送ることにしました。8日の夕方に母から電話があり、とても喜んでくれたようで、送った甲斐がありました。
さて、花の世界では、誕生花というものがあるそうで、365日毎日に決まった花があり、私の誕生月は10月なのですが、その月の誕生日にちなんだ花があるらしく、それはメランポジウム。申し訳ないのですがこの花の名前は全く聞いたことがなく、ネットで調べてみると、小さくて黄色い綺麗な花でした。その花言葉ですが、「あなたはかわいい」だそうです。もういい歳の私には似合いませんね(笑)

晴天の続くこの季節、空を見上げればあちこちに飛んでいる素早いヤツ。そう、今日はツバメのお話です。クリエイターズの建物にも巣が作られ、可愛らしい姿をよく見ます。残念な事に、正面入り口の巣は、カラスに襲われたらしく、今はもぬけのからですが、横の駐車場の軒に出入りする姿は見られます。私も作業終わりに覗いて帰ることもしばしば。ツバメってつい見ちゃうんですよね。巣からちょこんと顔を出して卵を温めている姿はとても微笑ましいですね。子に餌をあげている姿を見ると、なんだか自分も頑張らねばと思ってしまいます(笑)
あの鳴き声はよくネットなどでは「土食て虫食て口渋い」と聞こえると書かれていますが、うーん私には全くそう聞こえません(笑)皆さんはなんて聞こえますか?
ツバメは民家の軒先によく巣を作りますが、あれは人の出入りがあるところだと天敵のカラスなどに襲われにくいからのようですね。軒に巣があると、糞が落ちてきて困りますが、傘を逆さにさして糞よけにするなどの対策をしているのを見ますね。ああいうのを見ると、人の優しさが見られてなんだかほっこりしますね。
皆さんもツバメの巣を見つけたら、ちょっと足をとめて、観察してみてはいかがでしょうか。

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〜クリエイターズの作業風景から〜革製品編その①

こんにちは、にゃんこうめです。
私は清掃のお仕事もさせてもらってるのですが、ある時清掃する部屋の中に、お客様が在室しているのかの確認のため、コンコンとノックして「清掃です」と言わなければいけない場面がありました。私は、もしお客様がいらして対応することになったら・・などと考えて、緊張してしまい、
「コンコン、清掃です」
「コンコン、清掃です」
「コンコン、清掃です」
・・・おわかりでしょうか?私はドアをコンコン叩くノックの動作をしながら、口でもコンコンと言ってしまっていました(笑)
周りに誰もおらず、お客様も、幸いにいらっしゃらなかったので事なきを得ましたが、自分で、はたと、変な事を言った事に気がついた時には、あまりの衝撃と恥ずかしさにその場に崩れ落ちました(笑)皆さんもこんな経験、ありますよね?え?あるわけないですって?(笑)

さて今回は、革製品の作業内容について深掘りしていこうと思います。
革製品は、多くの工程を経て作られています。簡単に説明しますと、先ずは採寸、型取り。その後に切り出し。それが終わると今度は、染色、貼り合わせ。そして最後に縫製をし、仕上げて完成という流れです。
革製品を作る時に最初に行うのは、革の厚みを考え、大きな革のどの部分をどう使うかを考えるところから始まります。革と、一口に言っても、部位ごとにまた個体ごとに厚みが違います。製品にした時、厚みがある程度均一になっていないと良い製品とは言えません。その為の見極めがとても重要です。
次に採寸ですが、ここで綺麗に採寸できないと、後の全ての作業に影響が出るので、ここでも気を抜けません。
しかも、革は染めると縮みます。それを考慮して大体1センチほど大きめに採寸しないといけない。その上、定規などを革に当てると傷の原因になるので、フリーハンドで切るんです!
と、商品としての出来上がりを考えて逆算しながら製作していくという、とても難しい作業で、これは経験がモノを言いますね。本職の方に比べたらまだまだかもしれませんが、携わってる方達は革製品を専門に扱っている方達ばかりで、ベテランと言っても過言ではありませんし、革にかける情熱では負けていません!
そんな熱い思いを胸に今日も頑張って製作しています!!