今回は初めてお取引をさせていただいた、室生犀星記念館の学芸員、嶋田 亜砂子様にお話をお伺いました。
室生 犀星は明治・大正・昭和にかけて活躍した詩人・小説家で、夫婦揃って生き物が好きだったことから、生涯で20匹以上の犬猫と暮らし、鳥や魚も飼っていたそう。生き物とはなんだろうというのを常に考えていて、動物について書くときも、自分を投影させながら書くことが多く、人よりもさらに根元的なものを追求する姿勢が伝わり、考えさせられるところが室生 犀星の魅力だそうです。
その室生 犀星ゆかりの品々などが所蔵されている室生犀星記念館は、片町近くの千日町にある室生 犀星の生家跡に建つ記念館。お客様は文学好きな方が多く、年齢層は割と幅広いそう。
「表紙ウォール」というモニュメントは、室生 犀星の全著書の表紙パネルが年代順に壁一面に並べられ、その様が圧巻です。
今回はしおりのご注文を賜り、
現在開催されている企画展 “犬のあわれ、猫のあわれ・・・あるいは「宇宙の一部」”に合わせたデザインで制作いたしました。猫の商品がどうしても多めなので、企画展に合わせて犬の商品も作りたいと考えていたときに、私達のしおりのサンプルをみて、本好きな方ならしおりを使う方も多く、良いのではないかと思われたそうです。
しおりのイラストはイラストレーターの武藤 良子さんのもの。どのイラストも愛らしいという言葉がふさわしく、思わず微笑んで手に取ってしまいますね。
企画展 犬のあわれ、猫のあわれ ・・・あるいは「宇宙の一部」
展示期間:7月13日(土) ~ 11月10日(日)まで行われているそうなので、犬猫好きな方も、そうでない方もぜひ一度足を運ばれたらいかがでしょうか。ミュージアムショップにも猫グッズがいっぱいあるようですし、断然猫党の私もこの企画展はとっても気になりますね。
室生 犀星は生き物に対する感性が鋭く、身近な生き物を題材とした共感できる作品が多く、「生き物とは」と考えたとき、その対比として「人間とはなんだろう」と、人について一番考えていたそうです。戦時中のものは人の命の儚さを生き物に例えた詩なども多く見られ、現代の命というものに対して接触が希薄な世の中にあっては、今こそ室生 犀星の詩を多くの人は読むべきかもしれないと思いました。
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